申し訳ない、御社をつぶしたのは私です
◾️はじめに
本書を購入したのは約10年前で一度読んだ後に、本棚に飾っていましたが、最近、戦略やマネージメントについて思うところがあり、再び読み直してみました。改めて読み直すと新たに気づいたことが幾つかあったのでまとめてみました。
◾️書籍の概要
本書の著者は、マサチューセッツ工科大学を卒業後、大手コンサルティングファームや著名企業での経験を持つ敏腕コンサルタント。しかし、彼女は自らの経営コンサルタントとしてのアドバイスが間違っていたと公然と懺悔する。本書では、「戦略計画」や「業績管理システム」などのコンサルティング手法が実際のビジネスにどのような影響を与えているかを具体的に解説。現代の経営手法を根幹からひっくり返すような「告白」を満載した本書はコンサル業界や今のビジネス潮流に一石を投じる一冊と言えるだろう、との触れ込み。
◾️参考になった内容
戦略策定とマネージメントに関して参考になった内容を以下に要約します。
<戦略策定について>
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戦略策定は、今後の経済状況、業界の変化、競合他社の動向、顧客のニーズを予測できることが前提となっているが、実際はそのようなケースは殆どない。
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ビジネスの真の成功は、業界の将来を予測することよりも、早く大きなチャンスを掴むことにある。多くの企業で戦略を策定する際、現場の従業員からの情報を十分に活用していないことが問題。現場の声や情報は、競合や市場の実情をより正確に知る手段として価値がある。
<マネージメントについて>
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グーグルのように世界で最も評価され、模範とされている企業でさえ、優秀なマネージャーの特徴を明らかにするための研究を行う必要性を感じたという事実は、ビジネスの世界で優れたマネジメントを行うのがいかに難しいかを物語っている。同時に、これまで語らられてこなかった新たなスキルは述べられていない。
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よいリーダー(マネージャー)には、自分自身のことをよく認識し、他人に共感し、柔軟性を示すことが求められる。それはリーダーシップスキルでも、マネジメントスキルでも、ビジネススキルでもない、生きていくためのスキルである。
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実際のところ、万人に有効なリーダーシップの手法やモデルなどありはしない。人はそれぞれ異なるスキルや長所を持っている。大事なのは、スキルや長所を最大限に生かしつつ、訓練したり欠点を補ったり、あるいはチームをつくることによって、弱点を補うことだ。
◾️おわりに
本書は、戦略論やリーダーシップ論を一通り学んだが何か釈然としないものを感じている方にお勧めです。ビジネスの成功のためには、現場を見て自分の頭で方策を考えること、周囲とのコミュニケーションを円滑にすること、が大切であることに改めて気づかされました。