ハカセKの書斎

ある技術者の独り言

「良い質問」をする技術

■はじめに

 「良い質問」とは、答えた先に気づきや行動がある質問のことです。このような質問をするためにはどのようにすれば良いか、コーチ・エィ社の取締役を務める粟津恭一郎氏の著書のエッセンスをまとめ、資料化してみました。
 

■質問の種類

 質問は、「良い質問」「軽い質問」「重い質問」「悪い質問」の四つに分類できます(図1)。

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「良い質問」とは、答えた先に気づきや行動が得られる質問です。後述する「軽い質問」を気づきや行動をもたらすように変えれば作ることができます。また、「重い質問」を答えやすくするように変えることでも作れるようです。
「軽い質問」は相手との関係を良好にするもので、相手が答えやすく、話していて嬉しく、話し慣れている話題が好ましいようです。例えば、成功体験を話してもらう、などがこれに該当します。相手との間に信頼関係を構築する際に用いると効果的です。
「重い質問」は答えたくないが、気づきや行動につながる質問になります。聞き手との間に質問の目的が共有されていることが重要です。
「悪い質問」は、気づき、行動、成長につながらない質問で、単に相手との関係を悪化させるものです。
 実際の対話の際には、軽い質問で相手との距離感を縮めながら、徐々に良い質問を投げかけて、相手に気づきを促していくのが良い対話の進め方です。良い質問の具体例を図2にまとめておきました。

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■良い質問をするために

 「良い質問」をするための姿勢として、「傾聴」することが最も重要とのことです。それと同時に背景にある思いや本当に伝えたい心情と真剣に向き合い、フィードバックを伝え、気づきを深めていくことが大切になってきます。そのために重要なことは、傾聴しながら相手に気づきを促す「アクティブ・リスニング」です。気づきを促す質問の作り方として、著者は二つの方法を示していました。前段階としてまず重要になるのが、著者が3Vとよぶ三つのキーワードです。Vision:手に入れたいもの、Value:価値観、Vocabulary:よく使う言葉、の三つです。これを見極めながら、①話し手があまり使っていない疑問詞とVを組み合わせる、②二つ以上のVを組み合わせる、のいずれかを試すと良い質問を作ることができるそうです(図3)。

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■まとめ

 著者によれば、優秀な人とそうでない人を分けるのは、質問の差だということです。また、自分への質問は成長のために効果的だとのことです。良い質問をする技術は仕事をする上で重要なスキルであるということは私も実感するところ。質問の技術を身につけることは、周囲や自分自身に良い影響を与えるのだと改めて思いました。