ハカセKの書斎

ある技術者の独り言

論理思考について②

経営コンサルタントの後 正武氏による「論理思考の本」の読書メモの続きです。

■演繹について

  演繹構造を作るために気をつけないといけないポイントは前提の作り方です。概要を図1にまとめました。まず、演繹における前提は二つ以上である必要があります。著者はこれを「風鈴ロジック」と表現しています。風鈴があるから音が鳴ったというのは論理として不十分で、見えないそよ風が吹いている隠れた大前提があってはじめて、あの涼やかな音がだせるという例えです。
 また、演繹で重要なことは適切に前提を設定することです。前提には、①いつでも常に正しいと主張できる真理、②人間社会が決めた取り決め、③その他の一般に用いられる前提、三種類があります。逆に、演繹で展開される論理の正しさをチェックするときには、前提が間違っていないか確かめる必要があります。

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■演繹の事例

 本書に示されていた演繹の事例を図2に示します。これは、バブル崩壊後の地価下落を論理的に考察した事例で、特徴は、価格(地価)は需要によって決まる、という大前提に対して、小前提は土地の需要と供給を組み合わせた構造になっています。さらに、二つの小前提をそれぞれ五つの事実ベースの情報で帰納的にサポートする構造になっています。文章やプレゼンなどにまとめる際も、一度このように論理構造を整理してから作成を進めると効率的ですね。