ハカセKの書斎

ある技術者の独り言

MOTについて

 MOTとは、Management of Technologyの略で日本語では技術経営と略します。MOTの目的は、新事業の創出、研究開発の効率化、収益の最大化の三つと言われ、2000年台に日本でちょっとしたブームが起き、大学でのMOT講座の開設が相次ぎました。
 MOTというと、MBAとよく比較されますが、今のところ一番しっくりきている分類を以下に示します。要は、MBA企業の拡大と成長の ための経営と管理を主目的にしているのに対して、MOTは技術をベースにした 新商品・新事業の創出を主目的としています。つまり、MOTイノベーションに、MBAはマネージメントに主眼をおいていると言い換えられるかもしれません。

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図.MOTMBAの比較

 MOTは1980年台の日本の技術力に対抗するために、日本の製造業の品質保証やマネージメントを研究し、米国で始まったとされていますが、その後、日本企業の技術レベルは低下し、MOTが逆輸入された2000年台以降はさらにその傾向が強くなったように見えるのは皮肉としか言いようがありません。

 2000年以降の日本企業の国際競争力低下の原因は、経営戦略にあるとの指摘もあります。これからは経営的視点を持った技術者の育成が益々重要になるでしょう。